戦略

将棋の序盤の戦い方

この図では、先手は居飛車、後手は三間飛車です。
後手は角の交換を避ける為、角の通り道を塞ぎました。

守りは金銀3枚で囲いを作る

飛車と角で攻める準備をした後は、攻め込まれたときに玉を守るための準備をします。
つまり、一番大事な玉が取られにくいように囲いを作っていきます。
基本としては金銀3枚で囲いを作り銀(または金)1枚は攻めに使います。
ここで大事なのは、必ず玉と飛車を遠ざけて囲いを作ります。
飛車は玉の近くにがいると力を発揮できないばかりではなく、相手に玉と飛車を同時に狙われてしまうからです。

この図では後手の穴熊が完成しましたが、穴熊を作るために金銀3枚が使われています。
それに比べて先手は攻めながら囲いを作っている為、金銀3枚を玉の周囲に近づけてはいるものの囲いの完成が遅れています。
また、お互いに玉と飛車は離れたとこにいます。

飛角銀桂の攻撃参加

「攻めは飛角銀桂」と言われるように、飛車と角だけではなく、銀や桂馬と、もちろん歩も必要に応じて攻めに活用します。

先手の6四銀が敵陣に向かっています。
後手の4二角がそれをけん制しています。
この銀が動いて角の通り道ができてしまうと、角交換から展開が大きく変わってしまいます。
この局面では6四銀が一番ポイントとなる駒と言えます。

相手の駒を取りながら有利な形を作る

図は先手番です。
5筋と6筋の歩を取ることができる局面です。
5筋の歩、つまり▲5四歩と進めると、歩を取れる上に6四の銀の逃げ道ができるので先手は動きやすくなります。
さらに、進めた歩を5筋の突破に利用することもでき、後手に圧力をかけられます。
これは1石3丁の良い手ですね!

もし6筋の歩を進めてしまうと・・

後手の持ち駒には歩があります。
もし▲6六歩とした場合、先手が後手の6筋の歩を取ることになります。
つまり、後手の歩が6筋から消えるので、後手は6筋に歩を打つことができます。
△6三歩打とされてしまい、先手の6四の銀の逃げ道がなくなります。
先手の銀と後手の歩の交換は、明らかに先手の駒損ですよね。

攻めと守りの準備が整ったら開戦

囲いと攻める準備が整ったら、攻めていきます。
相手の攻め方や守り方も予測しておき、前もって対策しておくことが大切です。

図では、後手が角の通り道を開かせて、角交換に成功しました。
さらに後手はすかさず先手陣内に角を打ち、馬を作ることに成功しました。
ここから攻防の激しい中盤に入っていきます。

序盤を通じて

形勢は互角ですが、終盤で後手の穴熊が有利になりそうな展開です。

序盤で対局を有利に運ぶためには、まず多くの定跡を覚えている事や、相手の出方に合わせて戦法を選ぶことが大切です。

例えば(この対局も振り飛車 対 居飛車穴熊ですが)振り飛車対策として居飛車穴熊で戦うと勝率が格段に上がると言われています。

当サイトではこのような定跡戦法棋譜を紹介していますので、もしよろしければご覧ください。

ここまでの対局を棋譜で復習

紹介した序盤の棋譜をご覧いただけますので復習にご利用ください。
なお、当棋譜は中盤、終盤へと続きます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。