ルール

将棋の駒の成り方

将棋は相手の陣地に入ると、より強力な駒へと進化します。
これを駒が「成る」と言います。

今回は、駒の「成り」について説明していきます。

相手の陣地に入ると駒が進化すると言いましたが、まずは相手の陣地がどこか覚えましょう。
将棋盤は、9×9の81マスです。
当然、行にすると9行ですよね。

将棋盤は大きく分けると、自分に近い3行と、相手に近い3行、そして真ん中の3行で区別できます。

自分が最初に駒を並べる3行を「自陣」、相手が駒を並べる3行を「敵陣」、それ以外の真ん中のスペースを「中央」という呼び方をします。

「敵陣」と呼ばれるところが相手の陣地ということですね。

ここに自分の駒が侵入すると「成る」ことができます。

「成る」とは駒を裏返しにすること

敵陣に侵入した駒は「成る」ことができると説明しましたが、「成る」とはいったいどういうことでしょうか。
最も簡単に説明するのであれば、駒を表から裏にひっくり返すことです。

例えば、「歩」の裏には「と金」と書かれています。
相手陣地に入った歩は、と金に「成る」ことができるのです。

成っても成らなくいてもどっちでもいい

相手の陣地に入ったら必ず成らなければいけない訳ではありません。
「成る」、「成らない」は自分で選ぶことができます。

ちなみに、成る場合は「成(なり)」
成らない場合は「不成(ならず)」と言います。

状況に応じて判断する

「成る」、「成らない」かの判断は意外と重要です。
特に、駒の特性が大きく変わる場合は意識して使い分けましょう。

例えば、以下の状況で桂馬が跳ねようとしています。
あなたなら成りますか?成りませんか?

さあ、どうでしょうか。
わたしだったら成りません!

なぜなら、桂馬のままでいることで、次の手で角か金を確実に取れるようになるからです。

しかし、成ってしまった場合は、どちらも取ることができなくなります。

このように、「成る」か「成らない」かの判断はとても大切なのです。

成った駒は元には戻せない

成ってしまった駒は、もとに戻すことはできません。
敵の陣地から出ても、成ったままです。

元に戻るのは、相手にとられて駒台に置かれる時だけです。
参考 : 相手の駒の取り方

持ち駒を敵陣に置いても成らない

駒台に置かれる時に、駒は元に戻ると説明しました。
駒台から駒を置くときは、敵陣であろうとどこであろうと、成った状態で置くことはありません。

どこに置くにしても、もともとの状態の駒です。
ですので、持ち駒を相手の陣地に置いたからといって、「成った」状態では使えないことを覚えておいてください。

敵陣に置いて動いた時に成れる

持ち駒を相手の陣地に置いた時は成れませんが、そこから動かすと成ることができます。
敵陣内で動いた場合はもちろんのこと、敵陣から出た場合でも可能です。

では、見てみましょう。

持ち駒の「角」を敵陣に置きました。
置いた時点では「角」のままですが、敵陣から動いたタイミングで「馬」に変わっているのが分かるかと思います。

このように、敵陣に置いた駒はどこかに動いたタイミングで「成る」ことができます。
もちろんこの場合も、「成る」「成らない」の選択は自分で選べます。